六田知弘

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トピックス

写真家・六田知弘の近況 2026

展覧会や出版物、イベントの告知や六田知弘の近況報告を随時掲載していきます(毎週金曜日更新)。

過去のアーカイブ

2026.02.13 三輪さんの光
三輪さんの光

大神神社(おおみわじんじゃ)に古いお札を納めに来ました。
新しい仕事場から約20分。今日は朝から快晴で西日が当たる時間になっても暖かく、とても気持ち良い日差しを受けて歩いてここまで来ました。

納札所から拝殿の前の鳥居まで石段を上ってくると,鳥居の右側の柱に刺されてある御幣に金色の西日がスポットライトのように当たって微かな風に揺れていました。

大和しうるわし
ここが私の故郷です。(六田知弘)

 

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2026.02.06 横丁の水槽
横丁の水槽

打ち合わせのために東京白金のギャラリーに行く途中、道を間違え横丁を曲がると、そこは高級マンションが立ち並ぶ表通りとは打って変わった町工場や昔ながらの八百屋さんなどが残るちょっとしたワンダーランド。

黄茶色のモルタル2階建の町工場らしい建物の道路に面した外壁には大きな水槽が二つ。
そこにはヒゴイやフナが溢れんばかりに入っていて、近づくとまるでゴンズイ玉のように集まってきます。そのちょっとグロテスクとも思える光景に思わずスマホを出して2-3枚。
魚たちは、おそらく幼魚の頃からここに入れられ、そのまま大きく育った、切るに切れない地域コミュニティのような、世界を共有する仲間たちなのでしょう。(六田知弘)

 

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2026.01.30 街角のポスト
街角のポスト

桜井の新しい仕事場から駅に行く途中の街角で古いポストがあるのを見つけました。
街並みに合わせてポストもあえて昭和のものを残したのでしょうが、レトロ調にして観光客を呼ぼうという下心のようなものはあまり見えてこなくて、心地よい街歩きを楽しめそうです。(六田知弘)

 

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2026.01.23 神社の光
神社の光

桜井の新しい仕事場の片付けの合間に近くを少し散策してみました。
歩いて5分ほどのところにある等彌(とみ)神社の境内に入った途端に懐かしい光に出会いました。
社を囲む杉木立の木漏れ日が、拝殿の柱や賽銭箱にチロチロと震え、揺れています。
ああ、ここには今も神さまがおわします。(六田知弘)

 

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2026.01.16 冬の富士山
冬の富士山

冬になると東京の高幡不動の裏山の上にある自宅近くから富士山がよく見えます。
特に日没の前後にはそのシルエットが印象的です。太陽の放射状の光を頂上に冠したいわゆるダイヤモンド富士も見える時もありますが、頂上に雲を引っ掛けて、雲と一緒に後光をまとったように輝く富士も魅力的です。

大和からは見えない富士山を背景に、ねぐらに帰る鳥たちを眺めていると、自分は暮れかかった空を行き来する一羽の小さな鳥のように思えてきます。(六田知弘)

 

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2026.01.09 桜井の仕事場
桜井の仕事場

正月あけ早々、奈良のほうの仕事場を橿原から隣りの桜井に移しました。
移転には西の京にしようとか、法隆寺の近くにしようとか、いろいろ迷い考えたのですが、やっとのことで落ち着き所を見つけた感じです。

昨夜はダンボール箱に囲まれた状態で、なんとか空間を作って布団を敷き、その横でコタツに入ってやっと一息ついたのが10時過ぎ。

そこはなんとも静かな空間です。
微かに聞こえてくるのは、窓の外の竹林が風にそよぐ音だけ。自然に息が深くなってきます。
こういうのは本当に久しぶりです。

片付け中に、たまたま開けたダンボール箱の一番上にあった宮沢賢治詩集を取りだしてコタツの上に載せてあったのですが、「春と修羅」をその静けさの中で読むというより目で追っているうちにウトウトとしてきたので布団に潜り込んらすぐさま朝までぐっすりと眠ってしまいました。

写真は、朝まだカーテンもつけていない南側の窓越しに見えた風景です。
日本の全ての仏像の中で私にとってのナンバーワン、あの十一面観音のおわす聖林寺も歩いていける距離にあり、その横の道を上っていくと大化の改新にゆかりのある多武峰 談山神社に続きます。
目線を右に移すと私が生まれた時から毎日仰いできた葛城山と金剛山が並んで見え、そして玄関側にまわると右手に大きく三輪山が。そして真北には卑弥呼の墓とも言われる箸墓古墳とその向こうに纏向遺跡、さらに左手には藤原京趾、畝傍山、そして二上山も望めます。

この風景の中で育った事が、良きにしろ悪しきにしろ今の私の仕事の原点。
70歳近くになって、これからどんな仕事をしていくのかわかりませんが、生きてゆく限り、大和という土地が持つ独特の引力からは逃れる事はできないように思います。(六田知弘)

 

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