六田知弘

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写真家・六田知弘の近況 2026

展覧会や出版物、イベントの告知や六田知弘の近況報告を随時掲載していきます(毎週金曜日更新)。

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2026.01.09 桜井の仕事場
桜井の仕事場

正月あけ早々、奈良のほうの仕事場を橿原から隣りの桜井に移しました。
移転には西の京にしようとか、法隆寺の近くにしようとか、いろいろ迷い考えたのですが、やっとのことで落ち着き所を見つけた感じです。

昨夜はダンボール箱に囲まれた状態で、なんとか空間を作って布団を敷き、その横でコタツに入ってやっと一息ついたのが10時過ぎ。

そこはなんとも静かな空間です。
微かに聞こえてくるのは、窓の外の竹林が風にそよぐ音だけ。自然に息が深くなってきます。
こういうのは本当に久しぶりです。

片付け中に、たまたま開けたダンボール箱の一番上にあった宮沢賢治詩集を取りだしてコタツの上に載せてあったのですが、「春と修羅」をその静けさの中で読むというより目で追っているうちにウトウトとしてきたので布団に潜り込んらすぐさま朝までぐっすりと眠ってしまいました。

写真は、朝まだカーテンもつけていない南側の窓越しに見えた風景です。
日本の全ての仏像の中で私にとってのナンバーワン、あの十一面観音のおわす聖林寺も歩いていける距離にあり、その横の道を上っていくと大化の改新にゆかりのある多武峰 談山神社に続きます。
目線を右に移すと私が生まれた時から毎日仰いできた葛城山と金剛山が並んで見え、そして玄関側にまわると右手に大きく三輪山が。そして真北には卑弥呼の墓とも言われる箸墓古墳とその向こうに纏向遺跡、さらに左手には藤原京趾、畝傍山、そして二上山も望めます。

この風景の中で育った事が、良きにしろ悪しきにしろ今の私の仕事の原点。
70歳近くになって、これからどんな仕事をしていくのかわかりませんが、生きてゆく限り、大和という土地が持つ独特の引力からは逃れる事はできないように思います。(六田知弘)

 

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