六田知弘

MUDA TOMOHIRO >> Topics 2021

トピックス

写真家・六田知弘の近況 2021

展覧会や出版物、イベントの告知や六田知弘の近況報告を随時掲載していきます(毎週金曜日更新)。

過去のアーカイブ

2021.01.22 鉄隕石
鉄隕石

私が外出時に持って出るバッグのポケットにはいつも小さな隕石がひとつ入っています。20年ほど前からそうしていて、海外に行く時にも忘れません。私にとってはある意味お守りの様なものかもしれません。
大きさは1.5センチ程でとても小さいものなのですが、鉄分が多い、いわゆる鉄隕石あるいは隕鉄と呼ばれる隕石なので手に取るとずっしりと重いです。この重さがまたたまらない。
隕石は宇宙空間にある(何十億年も前にできた)個体物質が地球などの惑星に溶解しながら落下してきたものの残骸ですが、それが私の掌にのっている事の不思議。
宇宙の時間からすると私という存在は一瞬とも言えない無に等しい現象です。それからみるとこの隕石は変化しながらも無限に近いほど長く存在するのでしょうが、それも永遠ではないわけで、私と同じく「宇宙のかけら」でしかないのです。その二つの現象が、この時ここで出会っているという事のフシギ。
掌にのせた隕石をコロコロと転がせていると不思議に心が落ち着くような気がします。(六田知弘)

 

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2021.01.15 玉の魚
玉の魚

年末から、コロナのせいで奈良にも行けずほとんど巣ごもり状態が続いています。毎日のようにパソコンに向かって以前に撮って未整理のままの写真画像のセレクトをしているのですが、自分でも気づいていなかった面白いものが写っていたり、同じ対象でも撮影した時期によって対象に向きあう自分の姿勢が全然ちがうことに気づいたり。これが結構面白い。
ヨーロッパの石の写真や壁の写真、国内で撮った石や水や木の写真、東日本大震災の被災地で撮った写真、そしてカンボジアの遺跡で撮った写真、はたまた北京の胡同の写真・・・。まだまだ埋もれたままのものがいっぱいです。コロナで自由に動きがとれない今は、それらの写真を発掘するための時期だと決めてコツコツと、楽しみながらやっていこうと思っています。
そういう作業をするパソコンの机の上にはごちゃごちゃと色んなものが載っているのですが、最近よく手にとるのが、この魚形の玉です。もう20年も前になりますが、北京の小さな店で安価で買ったもので、真贋も確たることは言えないし、西周時代の本物だとしても市場価値など大したものではないのですが、パソコンに向かって作業しながら指でその表面を触っているとなんとも心が落ち着きます。(六田知弘)

 

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2021.01.08 年末年始
年末年始

あけましておめでとうございます。
コロナの急激な蔓延で、例年とは髄分違う新年となりましたが皆さんどうお過ごしでしょうか。 私は暮れからほとんど巣ごもり状態で東京の自宅で本を読んだり、画集を見たり、未整理の写真を整理したり、こういう時期だからこそできる事をやるしかないと、閉塞感に押しつぶされないようなんとか耐えているのですが、昨日に首都圏でふたたび(非常に中途半端な感じがする)緊急事態宣言が出されるなど、こんな状態がいったいいつまで続くのか・・・。早く、カメラを持ってとびだしたい。
ともあれ、この年末年始に集中的に見たのはゴーギャンとクレーの画集ですが、なんとも言葉に表せないその底知れぬ魅力にグーッと引き込まれておりました。彼らは、(質はそれぞれ違うけれど、)「秘密の泉」の在り処を知っていて、そこから汲み取った水をこちらの世界に運んできて、我々に飲ませてくれる。私も写真でそれをしたいのです。

お互い、コロナはもとより心身の健康に十分気をつけて、また、写真展などでお目にかかれれる日を楽しみにしております。

(3月には、東日本大震災から10年という事で、金沢と東京のギャラリーで『時のイコン』の展覧会をする予定です。)(六田知弘)

 

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