六田知弘

MUDA TOMOHIRO >> Topics 2021

トピックス

写真家・六田知弘の近況 2023

展覧会や出版物、イベントの告知や六田知弘の近況報告を随時掲載していきます(毎週金曜日更新)。

過去のアーカイブ

2023.01.27 白い椿
白い椿

白い椿の花が落ちているのを見つけるといつもスマホで写真を撮ってしまいます。
電車の時間を気にしながらも思わず屈んで撮りました。
一枚の花びらの端っこだけにうっすらと陽光が当たり、影になった部分には空の青が映えて、薄紫に微かに発光しているかのように見えました。(六田知弘)

 

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2023.01.20 ここ数日
ここ数日

母を見送って、東京に戻ってからの毎晩、奈良の當麻寺(たいまでら)の傍にあるギャラリーで4月半ばから開催予定の個展の為の写真のセレクトと構成をしていました。

年末から年始にかけて、これまでに奈良県内で撮ってきた膨大な数(おそらく数十万カットはあるでしょう)のデータをいくつものハードディスク内にある、目についたフォルダを片っ端から開いて(それでも全部は開ききれなかったのですが)、そこからやっとのことで800カットを引っ張り出して、さらに約200までに絞りこみ、小さなプリントを作ったところで、母の訃報でした。

東京にもどってから、母の小型の遺影を作業机の横に置いて、小さなプリントを机上に並べ、ギャラリーの平面図を見ながら写真の構成をしていたのですが、それが自分でも驚くほど集中して、スムーズにできました。
昼間は、いくつかの打ち合わせや3月のアートフェア東京に出品する作品の大型プリント作業、そして上野の西洋美術館の「ピカソとその時代展」を観に行ったりして、いつもなら結構疲れているはずなのですが、、、。

写真は「ピカソとその時代」展の会場でスマホで撮ったクレーの作品「港の舟IIc」の一部分と、シャッターを押した後にスマホを下ろした時に液晶画面に映った床上の自分の影が面白くて思わず続けて撮った写真です。

今年は5〜6回の写真展の開催と、少なくとも1冊の写真集の出版を予定しています。
決して焦らず、深く息をしながら、自分の役割を果たしていければと思っています。(六田知弘)

 

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2023.01.13 母の肖像画
母の肖像画

実際よりだいぶ若いですが、母の肖像画ができました。
7〜8年ほど前に私の姪っ子の結婚式の時に撮った写真を元に鉛筆で描いたものです。元になる写真を渡してからこの絵ができるまで半日足らず。その早さと上手さにちょっと驚きました。
聞くところによると、東南アジアのどこかの国の美術の学生が描いたとの事で、ネットで写真を送って、それを元にすぐに描いてデータで送ってきたものをプリントしたようです。
元気な頃の母の笑顔そのもので、一目見た瞬間にぐっと胸が熱くなってしまいました。そうなんです。長く老人施設に入っていた母が、一昨日に亡くなりました。88歳でした。

母のことについて思うと、幼かったころの頃の様々な思いがとめどなく湧き出てきます。懐かしい思い出というものもいっぱいあるのですが、それよりもっと、幼い頃の私の精神の根幹の部分に母の存在、そして不在、が良きにしろ悪きにしろ大きな作用を及ぼしていて、それが私の人生に決定的な影響を及ぼし続けているということは、私なりにではありますが解ってはいるつもりです。
今はまだ母が向こう側に行ってしまったという実感はほとんどないのですが、さてこの後、その「母なるもの」が私にどのように働きかけてくるのかこないのか、、、。

今、ひとり、お通夜の番をしながら、一言。

この廻り巡る宇宙の中で、私の母であってくれたこと、ほんとうにありがとうございました。(六田知弘)

 

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2023.01.06 白くて、平らで、すべすべの石
白くて、平らで、すべすべの石

私の2023年は、読書をしているうちに明けました。
暮れから正月にかけてほとんど毎日、朝から深夜まで、パソコンに向かってこれまでに撮った写真の整理をしたり、読書をしたりして過ごしました。雑事を忘れての三昧の時間は久しぶりのように思います。
その間、ずっと握り続けていたのが一つの白く平たいすべすべの石。
去年、熊野詣をしたときに、熊野市の「花の窟」近くの海岸で拾ってきて机の上に置いていたものですが、何気なく手にとったらなんともいえない感触で、知らぬ間にそれを左の掌に握ったままで、指でキーボードをたたいたり本のページを押さえたり。
この石が気持ちを鎮めて、なおかつ集中力を持続させる作用を持っていたのか、読書も写真の整理作業もえらく捗ったように感じます。
些細なものかもしれませんが、有難いものを見つけだして、なんとはなしに、今年はいい年になるように思います。
皆さんにとってもどうぞ良い年でありますように!(六田知弘)

 

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